パーパス(Purpose)って何?ミッション・ビジョンとの違いを徹底解説!
- 神田遼
- 4月22日
- 読了時間: 4分
「経営理念と言えば、ミッション・ビジョン・バリューじゃないの?」
「パーパスって聞いたことあるけど、具体的にはよく分からないなあ」
「パーパスってどんな価値があるの?」
この記事では、パーパスの意味やその重要性、さらにミッション・ビジョンとの違いについて解説します。自社の経営理念を構築する際のヒントとしてお役立てください!
パーパス(Purpose)とは、社会的意義を重視する「存在意義」のこと
パーパス(Purpose)とは、直訳すれば「目的」ですが、企業の「存在意義」を示すもので、単なる目標や目的以上に「社会的意義」を重視する概念です。
ボストンコンサルティング・グループによると、パーパスは「我々は何者か」と「世界のニーズは何か」の交差点に位置するとされています。これは、企業の使命や存在理由が、社会全体にどのように貢献するかを示しています。

※参考:日本における経営理念の歴史的返還 経営理念からパーパスまで/野村晴彦 著
パーパスが注目される背景とは「社会課題解決への関心の高まり」
近年、企業を取り巻く価値観が大きく変わりつつあります。従来の「株主資本主義」の考え方に代わり、「ステークホルダー資本主義」を重視する姿勢が注目されています。今では、顧客や従業員、地域社会など、幅広い関係者との信頼関係が企業の持続的成長を支える要素と見なされています。
さらに、Z世代やミレニアル世代といった若い世代は、社会的意義のある仕事や、やりがい・自己実現を重視する傾向があります。電通が実施した2024年の就職活動調査でも、「企業の存在意義や目的への共感」が、企業選びの重要な指標となっていることが示されました。
こうした時代背景から、「パーパス」に向き合う企業が急速に増えています。
参考:
図解ポケット パーパス経営がよくわかる本 相島淑美 著/企業が成長し続けるための7つのステップ パーパスの浸透と実践 齊藤三希子 著
パーパスとミッション・ビジョンの違いは「視点の差」
パーパスとミッション・ビジョンの主な違いは、企業によって解釈が異なりますが、パーパスはより社会的な視点にフォーカスし、抽象度が高いのに対し、ミッションやビジョンは企業内での視点を重視し、より具体的な表現になる傾向があります。
それぞれの定義が混同されやすい原因は、具体的な定義が統一されておらず、企業によってさまざまであるためです。よく一般的に用いられる定義は以下の表のとおりです。
パーパス(Purpose) Why 存在意義/使命 | 根源的なもので不変的。抽象的な表現が多い。現在進行形で社会的な視点を含む。 |
ミッション(Mission) What/Why 使命/存在意義/成し遂げたい目標 | パーパスよりは企業視点の色が強い。不変的なものとして定義する場合もあれば、社会変化に適応して進化する場合もある。これはミッションとビジョンの位置づけ(※)によって変化する。 |
ビジョン(Vision) What/to be 具現化したい未来/展望/ありたい姿 | どんな未来を目指したいかを表現する場合が多いが、経営戦略と強く関連付ける場合には、より具体性を出すために数値目標などを取り入れる場合もある。 |
バリュー(Value) How大切にしたい価値観/行動指針 | 日々の行動や実務に落とし込めるような粒度が細かいもの。 |
※ミッション・ビジョンの位置づけ
・使命先行型(MVV型):
私たちの使命(ミッション)は○○。この使命をやっていくことで未来は○○(ビジョン)になる。という考え方
・未来先行型(VMV型):
○○な未来(ビジョン)にするために、○○という使命(ミッション)を遂行していく。という考え方
使用する「名称」で企業らしさが表れる
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